「上海起業家登龍門」とは? 中国に拡がる無限のビジネスチャンスに注目
起業魂を刺激する上海のエネルギー(月刊宝島2006年1号刊)
起業するなら中国が熱い。
これを象徴するイベント「上海起業家登龍門」が10月10日、中国の商業都市・上海で開催された。世界が注目するマーケット・中国での新しいビジネスを起ち上げ・事業拡大を図る起業家が、先輩企業家と200人の顧客を前にプレゼンする。先輩社長がプレゼン内容に興味を持ち、自社リソースの提供を表明する札――「金出したる」「一緒にやろう」「続き聞かせて」など――を挙げればマッチング成立だ。
日本ではなく敢えて外国での起業を志すほどのプレゼンテーターたちだ。起業プランは安価で良質な労働力・プロダクトや莫大なマーケットなど、中国ならではメリットを活かしたもの――フランチャイズ展開を狙う飲食業、上海と日本のSEの仲介業、広大な土地を活かしたアグリビジネス、日本へのオーダーメイド家具輸出業など――多種にわたる。先輩起業家たちも中国マーケットに興味を寄せ、積極的に自社との連携を申し出た。結果すべてのプレゼンテーターがマッチングを果たした。
今回プレゼンを行った一人、アクシス・クリエーションの田中延枝代表は高品質の3次元CG・CADなどのデジタル映像を短期間でリーズナブルな値段で国外に提供する。既に成熟期にある日本の製造業・工業系の業界よりも「これから急成長する国で挑戦したい」と中国で起業。さらなる事業拡大への期待が今回のイベント参加を促した。「プレゼンテーターの質が高く、業種も多様でとてもインスパイァされた」と話すのは、審査員として参加したK社長。中国は今回が初めてだが、「上海のエネルギーを体感できた」事は何よりも収穫だった。「イベントにはプレゼンテーター以外にも現地で起業している経営者が多く集まっていて、まるで上海倭僑の総会のようだった。これから中国でビジネスをするとしたら、今回築いた人脈が橋頭堡となることは勘違いないだろう」。彼もまた中国に起業家スピリットを刺激された一人だ。
人民元の切り上げや人件コストの上昇が話しに挙がるが、日本と比べればかなり安価額で労働力を確保できる。マーケットも活気があり、なおかつ大きい。海外の起業家をも俘虜にするほどに溢れ出すビジネスチャンスが中国に存在する。