クリエイティブな世界が生み出す感動を世界中に
上海で起業を決意されたきっかけを教えてください。
発展的な考えを持つ両親や、海外でビジネスをしているおじに囲まれて育ったので、日本の短大で工業デザインを勉強しているときから、海外で起業資料と決めていました。先進国よりは経済が発展途上にある国で自分を試したかったので当時から中国は候補の一つでした。本田宗一郎に憧れて工業デザインを勉強していたので、それと好きなバイクを合わせて、中国でバイクの会社でも作ろうかなと。
その後オーストラリアで工業デザインの学位を取得し、日本にて工業デザインナーとしてノベルティグッズの企画からデザイン・設計を担当していました。5年間の経験を通し、デザイナーとしての知名度も上がり、人脈も構築できました。満をもして中国第一の都市上海に上陸し、1年間さらに同業界で働きました。住宅業界関連のCG作成業は全く経験がなかったのですが、当時働いていた会社の社長に任されてリサーチを重ねるうちに市場とニーズの大きさに確信を持つようになりました。「それなら独立してみれば?」と社長から選択肢を提供されて…日本に帰国して本社勤務という高待遇かつ安定した選択肢もあったのですが、以前からの夢である「海外で起業」という選択肢を選ぶことに迷いはありませんでした。
事業内容について教えてください。
現在は主に日本・欧米諸国の建設・不動産販売会社、広告代理店、建築設計事務所をターゲットに不動産販売ショールームなどの3次元CG画面作成、3次元モデリング・レンダリングから、設計図作成・図面トレース、バーチャルアリテイアイテム作成サービスのアウトソーシングを行っています。
今年5月に開業して以来、特に営業をしなくても日系の大手建設・不動産販売会社数社から多数受注を頂いている状況で、平均してひつ月に2つほど大型のプロジェクトをこなしています。まずは初年度中に顧客101社を獲得することが目標です。おかげさまで売り上げも好調で、ライバル出現前に一気に業界トップ企業になってしまおうかと。
起業していきなりのジャンプスタートを切ることができた成功の要因というか、御社の強みはなんでしょう
ターゲットとなる顧客を取り巻く市場環境はコスト削減、生き残りに必至で、納期が短い仕事も多いです。コスト削減のために中国にアウトソーシングしたくとも、品質と言葉のかべによるコミュニケーションが問題となりなかなか実現できない場合が多い。うちは、この問題を解決する事ができます。強みは以下の4つです。?日本品質を維持しながら、価格は日本・欧米の1/2~1/4以下で受注が可能である事?短納期のボリュームの大きな仕事をこなせるスピード?日本語・英語・中国語の3ヶ国語対応が可能であること?急な修正や変更にも柔軟かつ迅速に対応可能な顧客第一主義のサービス体制。
逆に、今後強化していくところは
これまでは目の前の受注をこなし、業務を軌道に乗せることで精一杯だったので、今後はマーケティング・宣伝力の強化、営業・販売代理店体制の構築が目下の課題です。起業家登竜門イベントでもメンター社長にサポートをお願いした点です。
今後の展望について教えてください。
これまでは、起業の発展性には気付いていたのですが、認知度はまだまだ低いですし、ビジネスを専門に勉強したことがないため、自分のビジネスプランに自信がありませんでした。でも起業家登龍門イベントに出場したことにより、先輩起業家のほうからも共同経営の提案や出資の申し出を頂いて、自信がつきました。
現在は、メンター社長の方々とお話を進みながら、再度ビジネスプランを練り直しているところです。今は建築・不動産業界がメインですが、業界にこだわりはありません。将来的にはクリエイティブな分野でのサポート業務に進出していきたいと思っています。
多少のセンスや文化の違いはあっても、芸術には国境がない。あるのは、言葉や習慣・常識の差を含めえたコミュニケーションの壁だけだと思っています。そこに私達の存在価値がある。クリエイティブな世界中に広めて多くの人が国境を感じず他国や他国の人をより身近いに感じてくれれば…。それが私達のビジネスの究極の目的“グローバル・クリエイティブ・アウトソーシングサポート”です。